パパコラム特別企画 講演 「接客マナーについて」

2005年7月9日 掲載


 私は某医療機関で働いています。1年間に延べ7,000人程度の人(患者さま)と接しているのですが、現場では医療人として、また一人の人間として、少しでも相手の方に気持ちよく過ごして頂けるように心がけているつもりです。そのためには「接客マナー」というものがとても重要です。
 ちょうど接遇研修会があり、その伝達講習を受けた事をきっかけに、同テーマで某講習会の講師を承ったのを機会に、私なりにまとめることができました。そこで習った事で大変ためになる項目がありましたので、それを私だけの知識として活用するのではなく、多くの人と共有したいと思い、このHPに載せる事にしました。参考にして頂ければ幸いです。

はじめに
 どうも自分は人と話すのが苦手だ、マナーについて詳しく知りたい、接遇って何に気をつければいいんだろう、など色々と悩んでおられる方、ぜひ参考にしていただき、上手に人とのお付き合いをしてみてはいかがでしょう。もちろん医療関係者以外の方大歓迎です。
目次
それではこれから「接客マナー」について、その基本と具体例を紹介します。

         1.マナーとは
         2.自分自身を振り返る
         3.マナーの基本
         4.顧客心理
         5、まとめ

 
.マナーとは
 マナーとは「相手の立場に立って、相手が心地よい状態を作ってあげる」という事です。そのためには「自分が相手の立場だったらどうだろう」と自分を振り返る事と、相手に対する思いやりが大切なのです。第一印象の良し悪しでその後の人間関係が大きく左右されます。相手に好印象を与えるためにも、しっかりマナーを身に付けておきましょう。またクレームには人的な事(マナーの悪さ等)が多い事も覚えておいてください。
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.自分自身を振り返る
 自分は人から見た時にどんな印象なのか、以下のチェック項目を参考にして振り返ってみましょう。外から自分を見直すことで良いイメージを作って行くことができます。
 語呂合わせで「せめて、あしふく、くせ」と覚えます。
   A、背:背筋はきちんと伸びているか。
   B、目:相手の方向を見ているか、表情は穏やかか。
   C、手:後ろ手・腕組みはよくありません。
   D、足:開き過ぎていないか、椅子坐位で足を組んでいないか。
   E、服:服装は清潔できちんと整っているか。
   F、癖:動作や言葉遣いのくせをチェック。
 話をしているときに体を小刻みに動かしたり、きょろきょろしていませんか。また、座ったときに椅子にのけぞったり、足を組んではいませんか。よく腕組みをして話しをされる方を見かけますが、腕組みは相手を拒否するサインとされています。足を組むことも相手を軽視していると思われます。
 本人は真剣に聴いているつもりでも、話している相手が話す気をなくすような態度をとると、相手から良い情報を引き出すことができません。相手に話す気を持たせる態度をとることで良い関係が築けるものです。
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.マナーの基本
 人に好かれる人というのは、服装・態度・声のトーンや聞き取り方が上手いものです。
 人は相手の印象の9割を「見た目」で決めているといわれています。そのうち6割は視覚からの情報といわれます。あとの4割は挨拶のときの声の調子や言葉遣いで、いわば聴覚からの印象なのです。
 一般的には相手とのコミュニケーションの第一声のトーンによって、その方の第一印象が決められることが多いようです。話を続けて聴いてみたい、という気にさせる声作りも忘れてはならないことです。

 マナーには挨拶・表情・言葉遣い・身だしなみ・態度の五つの基本があります。

A、挨拶
 良い挨拶は「あ」明るく、「い」いつでも、「さ」先に、「つ」続けて言葉をかけるということです。挨拶は「相手に敬意・親愛の意を示す行為で、対人関係を円満にし、社会生活を円滑にする」ものです。
 言葉と共に動作として「お辞儀」があります。ただぺこりと頭を下げるだけでなく、感じの良い表情(笑顔)と意欲を感じさせる姿勢や言葉で「人となり」を見ることもあります。
 また、挨拶やそれに続く会話をうまく進めるコツとして、以下の内容を盛り込むといいでしょう。語呂合わせで「木戸に立ちかけし衣食住」と覚えましょう。
   「き」季節
   「ど」道楽(趣味)
   「に」ニュース
   「た」旅
   「ち」知人
   「か」家族
   「け」健康
   「し」仕事
 それと衣食住などの話題で話を進めるといいでしょう。ただし、政治と宗教の話題は避けたほうがいいようです。

B、表情
 表情は目と口で決まります。無表情は接客では最悪な結果をもたらします。笑顔は人を安心させリラックスさせることができます。鏡を見ながら顔の色々な筋肉を動かし、いい表情ができるように練習してみるのもいいでしょう。
 また、言葉・しぐさ・話すテンポ・声の大きさなどを相手に合わせると、相手の緊張をほぐすことができるのです。これをペーシングといいます。

 ペーシングについて詳しい事は下のリンクをご覧ください
  はじめて会う顧客との関係づくり。心の武装を解くペーシング

C、言葉遣い
 「明るく」「優(易)しく」「美しく」が基本です。
 「明るく」とは、声のトーン・適度な声量・スムーズに・プラス思考で、などの要素が必要です。
 「優(易)しく」話すコツは、専門用語を避け、漢語は和語に直す事。それと依頼形・肯定形で話し、クッション言葉を使うといいでしょう。
 依頼形は「・・して頂けますか?」、
 肯定形は「・・の効果があります」など。
 クッション言葉とは「恐れ入りますが」「失礼ですが」「申し訳ございませんが」などです。
 「美しく」話すには敬語をうまく使いこなす事です。
  「うちの→私どもの」
  「用→ご用」
  「ちょっと→しばらく」
  「すぐに行きます→ただ今参ります」
  「名前→お名前」
  「言って→おっしゃって」など。

D、身だしなみ
 TPO(時・場所・場合)に合った控えめで清潔感があるように心がけます。自分自身のためにするおしゃれとは違い、身だしなみは相手から見られるもの、整えるものなのです。
 髪・顔・服・手(爪)・靴下(ストッキング)・靴・アクセサリーなどをチェックしましょう。

E、態度
 これには外面的な要素内面的な要素がありますが、大切な事は態度にムラがない事と、見られているという意識を持つ事です。
 外面的な要素には、姿勢と動作があります。立ち姿・座り姿・歩き姿・座り方・おじぎなどは姿勢に、笑顔・視線・手ぶり・言葉・心・方向・高さなどは動作にあたります。
 「話す」態度では、目線が何よりも大切になります。話の合間に必ず相手をしっかりと見つめます。じっと見つめ続けるのではなく、Last eye contactといって、書いているシートなどに目線を落とし、また視線を相手に向ける、この動作の繰り返しをすることで相手に余裕を与え注目させるテクニックです。
 身振りや手振りなどもその方の表現力のひとつです。この動作を少し入れることで明るさや熱心さを伝えることもできます。
 挨拶でもそうですが、話す相手には正対の位置をもって話すことがマナーであり相手に対しての心遣いでしょう。正対とは、自分を中心に前90度の角度の視線範囲です。相手を阻害せず、受け入れる範囲といえるのです。
 内面的な要素には、相手の立場に立つ(思いやりを持つ)事、公私の区別をつける事、私的感情をコントロールする事などが挙げられます。
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.顧客心理
 患者様(顧客)には以下のような心理があり、これらを理解した上で接する事でより良い人間関係を構築することができます。
 A、歓迎期待の心理
 B、独占したい心理
 C、優越を感じたい心理
 D、公平に接してほしい心理
 E、損をしたくない心理
 F、自分本位に考えたい心理
 自分が顧客になった場合を考えると、理解できるのではないでしょうか。
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、まとめ
 繰り返しますが、接客マナーには「相手の立場に立つこと」が最も大切です。日ごろから自分を観察し、自分が相手の立場だったらどうだろうと考える習慣を身に付けられれば、おのずと接客マナーも良くなると思います。
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